刑務所に入るときの異物検査は全身を隅から隅まで余すことなく、その衝撃の方法とは?


刑務所に入るときは異物検査を受けなければなりません。なんとかして受刑者は隠匿物を持ち込もうとします。どうやったら刑務官の厳しい目をくらませることができるか…。さてひとは身体の至るところに物を隠せる「穴」を持っています。

受刑者はその「穴」に物を隠して運ぼうとします。その企みを阻止しようと刑務所側も徹底して受刑者を調べるのですが、その具体的な方法はなかなか衝撃的です。

異物検査の具体的な方法:男性受刑者の場合【屈辱のカンカン踊り】

異物検査は刑務官が立ち会って行います。持ち込まれる異物は薬物やタバコ、携帯電話、手紙など多岐に渡ります。確かに娯楽がない刑務所のなかなので、許されることではありませんが、その心情だけは分かりますよね。かつては床の指定されたまた、床に指定された部分に、手足を置き、四つん這いになり、性器の表裏を見せ、肛門を覗かれるということが行われました。

初対面の刑務官に屈服させられるように陰部やお尻に穴まで晒けださねばならない…。とても屈辱的なポーズです。また、検査の際に「カンカン踊り」と呼ばれるものがありました。全裸で「アッカンベー」をするようにまぶたの下を見せて舌を出し、手のひらを広げさせるというもので、何も不審な所持物がないことを示してみせるための所定の動きでした。

おどけて踊っているように見えるためについた名前でしょうが、これも非常に屈辱的な検査でした。1990年代以降の現在では規則が変更され、パンツのみを着用した状態で床に鏡を置き、その上で異物検査をされています。

それでも肛門検査をサッと調べられることがあるようです。

具体的な異物検査の方法:女性受刑者の場合【全裸で四つん這い】

女性の場合は女性刑務官が異物検査を担当します。全裸で四つん這いになり、20秒ほどそのままじっとします。そして膣や肛門内部に隠匿物がないかクスコ等で広げて調べられます。同じ女性とはいえ、こちらもかなり屈辱的です。

受刑者もまるで人間扱いされていないと感じるでしょう。有名芸能人でももちろん容赦はなく同じ扱いを受けます。かつては膣や肛門内部の中まで指を入れて、検査することもあったそうです。中には検査中に羞恥のため泣き出してしまう女性受刑者もいます。

それほど心理的にハードな検査ですが、そこは同じ「女性」である刑務官が案外優しく慰めるそうです。

他にもこんなことを調べられる

異物検査の他に男性は「玉入れ検査」というものがあります。そもそも「玉入れ」とは、男性がセックスの際に女性を喜ばせられると考えて、真珠状の「玉」をペニスの皮に埋め込むことです。入所前にはその「玉」の有無を、ペニスの表裏をひっくり返し、念入りに調べられます。

その理由は、刑務所の中では暇つぶしのために自分で「玉入れ」を行う受刑者が後を絶たないからです。具体的なやり方は、まず歯ブラシの先端5ミリほどを糸などでこすって切り取り、それをコンクリートの壁などの固いものに当ててこすり丸くします。

ペニスの包皮をつまみ上げ、爪楊枝などでそれを刺して穴を空け、完成したお手製の「玉」を埋め込むのです。根気が必要とされる作業ですが、刑務所内は時間が有り余っているので、受刑者はその作業を喜んでします。刑務官の目を盗んでの行為で、もちろん消毒もせず医療用具を使っての手術ではなく、不衛生なやり方なので、炎症を起こして可能をし、治療を受ける受刑者が続出します。

それを防ぐためにあらかじめ最初から「玉入れ」の有無を調べておくのです。「玉」の数が増えれば懲罰を受けることになります。また他に、刺青や身体の傷の有無も調べられます。「玉入れ」と同じく暇つぶしで入れ墨する受刑者もおり、それがまた治療騒ぎを起こすので、それを防ぐためです。

入れ墨検査は女子受刑者も共通です。

過去には検査方法が訴えられたことも

上記の「玉入れ検査」の際にはもちろん陰部を露出してじっくりと調べられるわけですが、これが過去に人権に反すると訴訟を起こされたことがあります。

これに対して、施設側は、プライバシーを保てる空間でひとりの刑務官が調べる等、受刑者の心理に配慮していることや、検査を実施した結果、当該施設では過去には400件以上あった「玉入れ違反」が現在では年間10件以下に減っていることをあげました。

裁判所は、他に方法がない以上不当とはいえないとし、刑務所側の勝訴になりました。確かに聞いただけではショッキングなくらい「そこまでやるの?」といった異物検査ですが、持ち物が厳しく制限され、不便な刑務所の中に行くとあっては、受刑者はあの手この手で監視の目をかいくぐり、違反なだけではなく危険なものを持ち込もうとするもの。

「服役中一番辛かったのはタバコを吸えなかったことだ」と言う受刑者もいるくらいですから、薬物所持・使用で捕まった受刑者は当然なんとかして薬物を刑務所内に持ち込もうとするでしょう。

薬物の密輸の例にある通り、肛門の中などの体内に隠すことは常套手段です。となると、やはり徹底した異物検査は必要だといえます。受刑者に正しく罪を償い、少しでも早く社会復帰をしてもらうためにも、裁判所の判決はしごく妥当なものでしょう。

【アメリカ】ストリップサーチいたずら電話詐欺

外国の刑務所にも異物検査はあります。韓国では透明な板の上に受刑者がしゃがみ込み、透明な板の下に配置されたカメラが撮影した映像を通して検査する、という方法がとられています。アメリカでも異物検査はstrip serchと呼ばれる同様のものがあり、このともすれば人権侵害に抵触しそうな検査内容は、「ストリップサーチいたずら電話詐欺」という事件の原因にもつながっています。

この事件の犯人は警察官を騙り、約10年間に渡りさまざまな女性にいたずら・わいせつな行為をしました。この事件はいくつかの映画やドラマの元ネタにもなっています。いずれにしても、異物検査が屈辱的なのは、無防備で無力な丸裸にし、自分が受刑者であることを痛感させるためでもあるようです。

刑務所内のルールを守らせるためのいわば「洗礼」です。異物検査の時点で早くも罪を後悔する受刑者もいるのではないでしょうか。普通に暮らしていれば、病気にかかりやむを得ず病院で検査や治療を受けるため以外に、見ず知らずの他人に局部を見せる機会はまずありません。

悪いことをしなければそういうことに縁はない。逆に悪いことをすればそういった目にあう。このことを心に刻んで清く正しく善良な一市民として生きていきましょう。